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サブメイン画像 敷金返還

敷金とは

 賃貸住宅に入居する際には通常前もってまとまったお金大家さんに支払ます。敷金、保証金、礼金などと呼ばれます。しかしこの敷金と呼ばれる大家さんに支払われるお金は一体どういう性質のものなのでしょうか。夫々どう違うのでしょうか。以下に簡単に説明します。

1 敷 金

 契約締結時、入居者がが住宅を汚損した場合の修繕費、家賃の滞納などに備えるために大家に予め交付する金銭(担保金)

2 保証金

 賃貸住宅では敷金と同一意義のものが多い(異なる性質のものもあり契約内容によって決まる)

3 礼 金

 契約時に大家に支払う金銭で、入居後は一切返還されない。

4 敷 引(解約引)

 上記1の敷金交付時に、予め解約時の精算金を定め、敷金の返還時に差し引かれるの金銭

 上記の金銭の内、賃貸の解約時に大家さんに返還してもらえるのは、敷金、保証金ですが、これも滞納家賃や、借主の使用による汚損の修繕費用を差し引いたうえでその残額が返還されます。借主には賃貸契約の解約時には、賃貸物件を修繕しないといけない義務があるのですが(原状回復義務)、ここで注意しなければならないのは、一般的には賃借物件の通常使用により時間の経過に伴って生じる自然損耗分は賃料として回収されれていると考えられ、全く入居当初のような状態にして貸主に返還するといものとは考えられていないということです。もっとも、借主が故意過失によって棄損した箇所などは借主の負担で回復しなければなりません。

 関西でも阪神間では賃貸契約時、敷金を交付するとともに敷引きの金額が定められるのが一般的です。 この敷引きの金額には、礼金、原状回復費、更新料その他、複合的な要素が含まれていると考えられていますが、現在この敷引きが民法第1条第2項の信義則違反または以下の消費者契約法10条の規定により無効ではないかとのことで多くの事件が法廷で争われています。

消費者契約法10条(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)

民法、商法その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。

5 「原状回復にかかるガイドライン」について

 平成10年当時、建設省から委託を受けた(財)不動産適正取引推進機構が取りまとめさ作成された「原状回復にかかるガイドライン」(平成16年2月改訂)といったものがあります。 また、これに先立って平成5年に同省が住宅審議会の答申を受けて作成した「賃貸住宅標準契約書」といものものあり、どちらも法的な強制力はありませんが、敷金や、原状回復に対する国の考え方等が指し示されています。

建物、設備等の自然的な劣化・損耗等(経年変化)

賃借人の通常使用により生ずる損耗等(通常損耗)

 賃借人の故意過失、善管注意義務違反、その他通常使用を超えるような使用による損耗等と賃貸物件の劣化要因を3つに分けて、賃借人の負う原状回復義務は3の損耗の復旧のみであると定義しています。

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